日本人によく効く最適な英語学習法
欧米人の思考法「直線思考」を手に入れる
欧米人の思考法は、一般に「直線思考」と呼ばれる。主張したい意見がはっきりあって、ストレートな直線を描いて聞き手に伝わる。この直線思考は、言語を始めとして、欧米の実生活のあらゆる場面でも見られる基本の考え方だ。
例えば、直線思考が“食”の場面に現れる例として、フレンチのコース料理では、前菜、スープ、そしてメインディッシュ、そして最後はデザートという並びで料理が順番に運ばれてくる。
私が活動の拠点とする欧米・カナダモントリオールにある寿司レストランでも欧米式で、お寿司を注文すると、まずは味噌汁だけが出てくる。味噌汁を飲み終えてからでないと、お寿司は出て来ない。日本であれば、通常、ご飯と味噌汁などの汁物は一緒に出てくるはずだ。
行動のパターンで見たこの直線思考が言語にはどう反映されているのだろう。欧米言語の中でも英語は特に直線思考が強く反映され、逆に日本語は直線思考を避ける傾向にあるという。カプラン(1966)は英語の直線思考を他の言語と比べて以下のように示したので紹介してみよう。
カプランの仮説:使う言語が違えば思考法も異なる
カプランは、使う言語によって思考パターンが違うと説いた学者であり、言語と思考の違いが文化の違いに関係していることを積極的に明らかにしようとした。彼の論文に出てくる言語別・思考回路の図を見てみよう。
ここでは、Semiticはアラビア語を代表、Orientalは日本語、Romanceはフランス語を便宜的に各言語をグループとした代表例として挙げてみる。図をみると、英語は他の言語グループと比べて、圧倒的に直線思考であることが分かる。英語は、“言いたい内容に迷いがない言語”もっと言うならば、いつ、どこで、誰が、何をどうしたかがはっきり分かる言語だということだ。一方、オリエンタル思考は、考えがグルグル渦を巻いていて、論点が見えにくい。こと日本人は文章を構成する際、結論から書き始めることを苦手とする。単刀直入を嫌う傾向があるために、さほど結論には関係ないような枕詞の導入をクッションにして、ジワジワと結論に持って行く言い回しを良しとする傾向が強い。