発音美人養成講座
背景知識が耳を鍛え、そして綺麗な発音へ導く
電話での英語のやり取りにストレスを感じる人は多い。私だってストレスを感じる一人だ。文字で見れば一発でわかる単純なことが、電話だと何を言っているかさっぱりわからないことがあるからだ。でも、こんなことで落ち込んで、リスニングに苦手意識を持ってしまっては元も子もない。視覚が遮られると、情報処理能力が落ちるのだから、そこはあっさり認めて前に進もう。
見えないことは恐い。見れば分かるとはよく言ったものだ。 英語でも【Seeing is believing】から窺えるように、見れば、分かるという理屈。また、「I can’t get the picture(絵が浮かばないことは分からない)」も示唆的だ。【百聞は一見に如かず】は、洋の東西を問わない。視覚情報の価値がいかに高いかがわかる。
文字が無いと恐いのは、英語学習者だけの専売特許ではない。プロの同時通訳者だって、文字が無いことは恐い。では、彼らはどうやってその恐怖を克服しているのか。実はここにリスニング向上のヒントがある。
一見スラスラ苦労もなく通訳しているかのように見える同時通訳者の芸当は、とてつもない下準備に支えられているのをご存知だろうか。下準備8割、実力2割と言われる世界。彼らは、予め、通訳する相手のスピーチ原稿に目を通し、分からないことは徹底的に調べて場に臨む。それは彼らが、背景知識を前もって入れておけば入れておくほど通訳しやすいことを知っているからだ。実はこの「背景知識インプット法」が、リスニングが苦手な人を救う救世主となる。
例えば、「Kosher meal(コーシャーミール)」と英語で聞いてすぐに分かる人は少ないだろう。mealという言葉が分かっていても、kosherという単語を知らない為になんだかわからない。気になった人はここですぐに調べて欲しい。出来れば、ネット検索で写真まで突き止めて欲しい。知らない言葉を【見える化】できた時には、今度、会話で自信を持って使える。
頭の中で絵にならないことは分からないこと。イメージできないものを放置せず、必ず、答えを突き止め、映像化する。このプロセスをぜひ癖にしたいものだ。
背景知識があなたのリスニング力を格段に強くする。情報量が増えれば勘も働く。だからこそ、音だけ聞きまくれば、リスニングが向上すると願う他力本願型学習はやめて、商談など、話す内容がある程度予測できる場合は、徹底して予め背景知識を入れておくことが大切だ。
こうして「背景知識インプット法」でリスニングが向上すれば、発音だって、良くなってくる。今まで聞けてない音が、だんだん聞けるようになり、自分の頭に聞ける音が溜まってくるからだ。そして聞ける音を今度は、忠実にアウトプットすればいいのだ。