ドイツ、ワクチン未接種者の間で「大規模」なコロナ流行 保健相
(CNN) ドイツのシュパーン保健相は3日、同国の新型コロナウイルスワクチン未接種者の間で新型コロナの「大規模」な流行が発生していると述べた。当局は感染者数の増加や病院にかかる圧力に警戒を募らせている。
シュパーン氏は「感染数や死者数が増加し、特にワクチン接種率が高くない一部地域で集中治療室(ICU)の患者数が増えている」と述べた。
ドイツで接種を完了しているのは人口の66.8%のみ。東部ザクセン州では59%、トゥーリンゲン州では62.2%にとどまっている。
シュパーン氏は「ワクチンを接種できる人がみな接種を受けていれば、(ICUの)患者数ははるかに少ないだろうというのが真実だ」とも発言。大規模会場で検査体制を強化し、接種証明や回復証明のある人のみ入場を認めるように呼び掛けた。
ドイツの国立感染症研究機関、ロベルト・コッホ研究所のウィーラー所長は「今行動しなければ、この第4波から今後も多くの苦難を受けることになる。多くの人が重症化や死亡する状況となり、医療システムへの負荷は高まる」と述べた。
ドイツ病院協会によると、病院の72%が昨年末よりICUのスタッフ数が少なく、86%がスタッフ不足でICUをフル稼働できていない。不足している原因はスタッフの辞職や新型コロナが要因で労働時間が短縮されていることが挙げられている。
南西部バーデン・ビュルテンベルク州では3日、ICUの病床が2日連続で250床以上埋まり、新たなコロナ関連の制限を導入した。レストランや映画館には48時間以内の陰性証明がなければ入れない。
メルケル首相の報道官は同日、メルケル氏が病院の対応能力の低下を懸念しており、「首相が心配しているのは成人1600万人以上、60歳以上では300万人以上が未接種という状況だ」と指摘した。
世界保健機関(WHO)の先週の発表によると、世界で新規の感染者数が増加しているのは欧州のみとなっている。