新型コロナワクチン「接種完了」の定義、今後は3回目か
(CNN) 新型コロナウイルスのワクチンの接種を完了したとみなされるには3回目の接種が必要となるかもしれない。
ワクチンの免疫の低下とデルタ変異株による感染の拡大を受けて、先進国では「ワクチン接種完了」に関する定義について、再考が進んでいる。これまでは通常、2回の接種が接種完了を意味していた。
英国のジョンソン首相は15日、新型コロナウイルスの流行を抑止するための措置を再導入しないためには、3回目のブースター(追加)接種が重要だとの見方を示した。
他の欧州各国でも追加接種の義務付けに動いている。フランスでは、マクロン大統領が先ごろ、12月15日までに65歳以上の全員について「ワクチンパス」を再び有効にするには3回目の接種が必要だと明らかにしていた。
オーストリアでは、2回目のワクチン接種から9カ月が経過するとワクチン接種を完了した状態だとはみなされなくなる。このため、事実上の追加接種の強制となる。
イスラエルでは、過去6カ月以内に2回目のワクチン接種を受けていない場合、ジムや飲食店などの入店が許可される「グリーンパス」の対象となるには3回目の接種が必要となっている。
医療の専門家は追加接種への依存が低所得国への最初のワクチン供給に影響を与えていると懸念している。低所得国でのワクチン接種率は4.6%にとどまっている。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、世界各地での1日あたりの追加接種の数が、低所得国の1回目の接種の数の6倍に上っていることについて、「恥ずべきこと」だと指摘した。
WHOのデビッド・ナバロ特使は、富裕国がワクチンに頼るのも賭けだと指摘。新型コロナウイルスについて知らないことも多いなかで、主要な対策としてワクチンを使うことは新たな変異株の登場につながる可能性があるという。そのため、マスクの着用などの対策と合わせた取り組みが必要だとの見方を示した。