世界の食料価格、7月に10%上昇 世銀報告
香港(CNN) 7月の世界の食料価格は前月から10%上昇し、中でもトウモロコシや大豆などの穀物価格は25%も上昇し、過去最高を記録したことが世界銀行の最新の報告書で明らかになった。
世銀の四半期報告書「フードプライスウォッチ」によると、トウモロコシなど穀物の世界最大の輸出国である米国が干ばつのため、ダスト・ボウル(1930年代に米中南部を襲い甚大な被害をもたらした砂塵嵐)以来の大不作に見舞われているほか、ロシア、ウクライナ、カザフスタンも猛暑で小麦の収穫高が減少しているという。
また世界で取引されている食料品価格の動きを示す世銀の食料価格指数も7月は前年同期比で6%上昇。また2011年2月の前回のピークよりも1%高かった。
世銀のジム・ヨン・キム総裁は、「食料価格の高騰で数百万人の人々の健康と生活が脅かされている」とし、「特に影響を受けやすいのはアフリカや中東だが、穀物価格が高騰している他の国々の人々への影響も大きい」と懸念を示した。
世銀によると、世界最貧国の一部で食料価格の国内価格が急騰しており、アフリカのモザンビークでは直近の四半期にトウモロコシ価格が113%上昇し、南スーダンでもソルガムの価格が220%も上昇したという。
世銀は世界各国に対し、最も影響を受けやすい人々を保護するための政策やシステムの強化を求めており、具体策として貧しい家庭を守るセーフティーネットの整備、農業への持続的な投資、耐乾性のある品種の導入、開かれた国際食料貿易の維持などを挙げている。