トヨタのカムリとプリウスV、新衝突試験で最低評価 米調査機関
ニューヨーク(CNNMoney) 米道路安全保険協会(IIHS)は20日、ファミリー向けセダン18車種を対象にした新しい衝突試験の結果を発表し、トヨタのカムリとプリウスVの2車種が最低評価となったことを明らかにした。
この新型の衝突試験は、時速64キロで運転席側の車体前方の一部を壁に衝突させるというもので、従来よりも衝突範囲が狭くなっているのが特徴だ。衝撃が1部分に集中するため車体への影響が大きく、この夏、高級車向けに行った同じテストでは、11車種のうち最高評価を取ったのは2車種に止まった。
今回、最低評価となったトヨタのカムリの場合、前輪が後方に押されて座席足下の空間部分が変形。また、ハンドルの位置が右側に大きく動いたため、ハンドル搭載のエアバッグが運転手の頭部を保護する役割をあまり果たせなかった。サイドカーテンエアバッグも頭部保護に十分な程ふくらまなかった。
プリウスVでも乗員スペースが内側に変形。エアバッグのふくらみも遅かったという。
IIHSのエイドリアン・ランド会長は「トヨタの技術者はライバル各社の性能に追いつくため相当の努力を払わなければならない」と述べた。
ちなみに最高評価を受けたのはホンダのアコード4ドアとスズキのキザシ。アコードは米市場でカムリに次いで売れている中型車だ。一方のスズキは、販売不振から米自動車市場からの撤退を表明している。
試験結果を受けてトヨタは「今回の新試験でIIHSはさらに基準を引き上げた。わが社は新車種の設計において、この新たな目標に対応していく」との声明を発表した。