米ユナイテッド航空、母看取る乗客のために出発遅らせ対応
(CNN) 母親の死を看取るために米ユナイテッド航空を利用した乗客を助けようと、乗務員や職員が連携し、乗継便の出発を遅らせて対応する出来事があった。
米サンフランシスコに住むケリー・ドレークさんは1月24日の朝、母親の容体が悪化し、死に瀕していると知らされた。
ドレークさんは、母親のいるテキサス州ラボックに行くために、ユナイテッド航空の便を予約した。中継地ヒューストンでの乗り継ぎ時間はわずか40分。ところが最初に乗った便に遅れが出て、その日の最終便だったラボック行きの便には間に合いそうにないことが分かった。
取り乱して涙を流すドレークさんに、客室乗務員はティッシュを渡して出来るだけの手を打つと約束し、機長にも事情を伝えてくれたという。
ヒューストンに着くと、空港の列車を降りてゲートへ走るドレークさんの姿を見つけて、係員が「ドレークさん、お待ちしていました」と声をかけた。
客室乗務員から事情を聞いた機長は乗継便に事情を伝え、乗継便はドレークさんのために出発を遅らせていた。ドレークさんはそのはからいを知って「胸がいっぱいになった」と振り返る。ヒューストンの地上職員の気配りで、手荷物も乗継便に間に合った。
ドレークさんは無事ラボックに到着し、病院に駆けつけた。「母は1度目を開けた。私のことを分かってくれたと思う」とドレークさん。母親は翌朝、息を引き取った。
自宅に戻ったドレークさんはユナイテッド航空に宛てて、自分を助けてくれた客室乗務員、操縦士、ゲート係員、手荷物係に感謝する手紙を送った。この手紙は模範的な事例として社内報に紹介されている。