米ファイザーが「バイアグラ」直販サイト、偽物横行に対抗
ニューヨーク(CNNMoney) 米製薬大手ファイザーは6日、性機能改善薬「バイアグラ」の直販サイトを開設すると発表した。ネットで偽バイアグラを販売する不正サイトが横行していることに対抗する狙い。大手医薬品メーカーが卸売り業者や薬局を介さず、ネットで製品の直接販売に乗り出すのは初めてとなる。
ファイザーによると、ネット上には消費者の需要に応じてさまざまな医薬品を販売するサイトが多数存在するが、そのほとんどは不正サイトだという。
バイアグラは特に偽造品が多く、同社が2011年に実施した調査では、ネットで「バイアグラ購入」を検索して表示される上位22サイトのうち、80%で偽の医薬品が販売されていることが分かった。
こうした状況に対抗するため同社が新設する直販サイト「Viagra.com」は、米大手薬局チェーンのCVSが運営するサイトにユーザーを誘導する。バイアグラの購入には処方箋(せん)が必要で、医療保険も適用される。
ファイザーは将来的に、ネット販売の対象をバイアグラ以外の医薬品にも拡大することを検討する。
ファイザーの決算報告によれば、12年のバイアグラの売り上げは20億5000万ドルだった。同社の医薬品の中では6番目の売れ行きで、売り上げ全体に占める割合は3.5%。性機能改善薬としての特許は20年で期限切れとなる。