数学が苦手な人はローン破綻の確率5倍に 米調査
ニューヨーク(CNNMoney) 数学が苦手な人が住宅ローンの返済に行き詰まって物件を差し押さえられる確率は、数学が得意な人の5倍に上る――。米国などの研究チームが実施した調査でそんな実態が浮き彫りになった。
この調査結果は米コロンビア大学ビジネススクールとアトランタ連邦準備銀行、スイス・チューリヒ大学の経済学者が24日に発表した。
調査は金融危機直前の2006~07年にローンを組んだ数百人を対象に実施。「300ドルのソファを半額セールで買うといくらになるか」「200ドルを金利10%で預けると2年後の金額は」といった設問5問に答えてもらって計算能力を判定し、ローン返済状況との関係を調べた。
その結果、計算能力が最も低いと判定されたグループは、5年以内に25%がローンの返済に行き詰まっていることが分かった。一方、計算能力が最も高いグループの場合、返済に行き詰まる確率は5%にとどまった。
この原因として、数学が苦手な人は計画的な出費ができず、クレジットカードの使用を誤ったり、一時的な減収といった事態にうまく対応できないなど、家計のやりくりも苦手な傾向があると研究者は指摘する。
そうした人が住宅ローンでトラブルに見舞われると、自分で計算して有利な内容に組み替えることができないという。
研究チームでは、住宅ローンを組む人に対する教育を充実させれば、こうした状況は改善できるかもしれないと提言している。