米デトロイト市が財政破綻、負債180億ドル
ニューヨーク(CNNMoney) 米中西部ミシガン州デトロイト市は18日午後、破産法の適用を申請した。米公共セクターの財政破綻(はたん)としては過去最大規模となる。
同日夜に記者会見したミシガン州のスナイダー知事は、デトロイト市の財政状況を考えると、ほかに選択肢はなかったと説明。同市の財政は「過去60年にわたって悪化を続けていた」と語り、市の予算の38%は年金や債務処理といった「負の遺産」の整理に使われていたと指摘した。
警察が市民からの通報を受けて対応するまでにかかる時間は1時間と、全米平均の11分に比べて大幅に長く、市内の街灯の40%は消えた状態だったという。
市の負債総額は約180億ドル(約1兆8000億円)に達し、先月の時点で既に約20億ドルの債務返済を停止していた。
人口は2000年に比べて28%減少。失業率は、自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーが相次いで経営破綻した2009年の27.8%に比べると改善したものの、ミシガン州の平均のほぼ2倍に当たる16.3%で高止まりしている。
再建計画では、負債を20億ドルにまで減らすことを目標とする。現時点で具体的な内容は明らかになっていない。
市債の価値は大幅に下落し、市職員や退職者の年金も削減されることになるため、組合などの反発は必至だ。