国の借金1000兆円を突破 6月末時点
香港(CNNMoney) 財務省は9日、国債や借入金などを合わせた国の借金が今年6月末時点で1008兆6281億円になったと発表した。1000兆円を突破したのは初めて。
債務残高の対国内総生産(GDP)比率は先進国中最も高い水準で、2014年には230%に達するとみられている。国債残高は830兆円に達した。
政府は10年以上続いたデフレからの脱却を目指し公共投資などの景気刺激策を拡大しているが、これらの財政出動は債務増加をもたらす結果となる。増え続ける政府債務に対して、国際社会からは懸念の声が高まっている。
経済開発協力機構(OECD)は、債務削減に向けた一層の努力が必要だと主張。「債務残高の対GDP比率の上昇を止め、下げるようにすることが重要だ」と説く。
国際通貨基金(IMF)も「経済成長を促進する構造改革とともに、債務削減に向けたより大胆な計画が必要だ」との見方を示す。
政府も財政再建に向けて動き出している。政府は消費税の税率を2014年4月に8%、15年に10%へと引き上げる方向で検討を進める。増税は経済成長を妨げる可能性もあるだけに、安倍政権は増税を実施できるか、正念場を迎えることになる。