英国で「ベビーブーム」、81万人余が誕生 経済成長に期待
ロンドン(CNNMoney) 英国の統計当局は11日までに、昨年6月までの1年間で生まれた赤ちゃんは計81万3200人で、1972年以降では最高記録になったと報告した。
英国では今年の7月22日、ウィリアム王子とキャサリン妃夫妻に第1子の男児が誕生し、国内が沸いていた。
英国の人口は過去10年、増加基調にあり、昨年6月までの出産分を加えた場合、総人口は0.7%増の約6400万人となった。総人口の拡大には移民が大きな役目を果たしている。特に23~33歳層の移民増加が顕著だという。
この「ベビーブーム」は景気停滞に長年陥っていた経済の浮揚に即効効果があるとの見方が出ている。特に両親による新居購入やより大型の家屋への引っ越しなどが見込める住宅産業が恩恵を受けそうだ。また、赤ちゃん、子どもや家族向け商品の売り上げも伸びる可能性がある。
さらに出産増は、英国の労働人口を増やし、結果的に経済力拡大につながることも考えられる。英国は今後20年間で西欧で最大の経済力を誇る国に成長するとの予想もある。他の欧州諸国の出生率は、最大の経済大国であるドイツを含め英国より低い傾向にある。
大手の会計監査企業アーンスト・アンド・ヤングの経済専門家は、英国の出生率上昇は長寿化に伴って増大する65歳以上の住民の生活を支える政策推進にも貢献すると指摘した。