「ヘアケア剤で髪が抜けた」、米で損害賠償訴訟相次ぐ
(CNN) 髪を滑らかにするとうたったトリートメント剤を使って髪が大量に抜けるなどのダメージが出たとして、消費者がメーカーのユニリーバなどを相手取り、米各地の裁判所に集団で訴訟を起こしている。
問題になっているのは「Suave」のブランドで販売されている女性向けのヘアトリートメント製品で、30日の使用で髪が滑らかになると宣伝されていた。
カリフォルニア州の連邦裁判所にこのほど起こされた訴訟で原告の女性たちは、ユニリーバは「髪が大量に抜ける原因となる成分や成分の組み合わせ」が同製品に含まれていることを把握しながら、その事実を公表しなかったと主張。被害について認識した後も、頭皮にダメージを与える恐れがあることを消費者に告知しなかったと訴えた。
同製品は毛髪に含まれるたんぱく質ケラチンを主成分とし、危険な化学物質は含まないと説明している。しかし訴状には、髪がまとめて抜けたり、変色したり、頭皮にやけど状の傷ができたりした原告の女性の写真が添えられている。
ユニリーバなどに多額の損害賠償を求める訴訟はニュージャージー州など米国各地で相次いでおり、原告側はメーカーに過失や虚偽広告があったと主張している。同製品に発がん物質のホルムアルデヒドを発生させる成分が含まれていたという訴えもある。
米食品医薬品局によると、この製品はリコールで38万個以上が回収された。製造は昨年で打ち切られているという。
ユニリーバ広報は17日、係争中であることを理由に訴訟についてのコメントは避け、「訴えを非常に深刻に受け止めている」と述べた。