大気汚染悪化で計器着陸の訓練義務付け 中国
香港(CNN) 中国の北京などで大気汚染が悪化している問題で、航空当局が小型機のパイロットに対しても、視界不良時でも着陸ができる能力の習得を義務付ける方針を打ち出した。
英字紙チャイナ・デーリーによると、中国民用航空局(CAAC)は来年1月1日以降、中国国内の10空港から北京の空港に着陸する航空機のパイロットに対し、視界が400メートルになっても計器着陸ができる能力の習得を義務付ける。
この措置について航空当局者は同紙に対し、定刻通りに運航できる便を増やすために当局が講じる対策の一環と説明している。
北京や上海では大気汚染のために便の欠航や遅れが相次ぎ、乗客が足止めされて、空港が混乱状態に陥る状況が続いていた。
一方、国際線を運航する大手航空会社のパイロットは視界が悪くても計器を使って着陸できる技能の習得を義務付けられているため、国際便は国内便に比べて遅れが少ないという。
中国メディアの報道によると、中国の航空会社のパイロットは春秋航空で80%、中国東方航空は50%、吉祥航空では大半が計器着陸の訓練を受けている。一方、そのための地上設備があるのは上海、広州、西安などの大規模空港のみだという。
キャセイパシフィック航空のパイロットは、現代の航空機には視界ゼロでも着陸できるシステムがあると話している。