英国とイタリア、麻薬や売春売上額をGDPに加算へ
ニューヨーク(CNNMoney) イタリア、英国両国は31日までに、麻薬など違法薬物や売春の売上額を国内総生産(GDP)の統計作業に初めて加算する方針を決めた。
英国の国家統計局によると、麻薬の取引額や売春の代金の総額は年間100億ポンド(約1兆7100億円)。GDPでの比率は推定0.7%相当としている。
今回の方針変更は欧州連合(EU)加盟国内で多い経済統計の手法に合致させることが主な狙い。例えばオランダでは一部の薬物販売が合法化され、この販売額が政府の統計に含まれているとしている。
英国では多くの麻薬や売春は違法となっている。このためGDPへ取り込む数字は警察の押収品や他のデータを参考にした推定数値となっている。
イタリア政府も先週、同様の措置を発表済み。ただ、このニュースが流れた際、「マフィア経済」との冗談も飛び出していた。
欧州諸国で違法なビジネス活動の取引額を算定しているのはこの他、エストニア、オーストリア、スロベニア、フィンランド、ノルウェーなど。
米国では政府機関の経済分析局が、西部ネバダ州のGDP統計作業のため同州での売春業界の取引額をまとめている。同局は現在、ワシントン、コロラド両州のためマリフアナ絡みの統計数字を作成しているという。両州ではマリフアナを小売業や農業と同じ項目にくみ入れているという。