米国の若年層、保有するなら株式よりも現金
ニューヨーク(CNNMoney) 米国の個人向け金融サービスサイト「バンクレート・ドット・コム」はこのほど、米国の若者の間で、株式よりも現金を保有する傾向が強まっているとの調査結果を発表した。これによると、18歳から29歳の米国人では、長期投資にあたって現金のままで保有すると回答した人が、株式に投資すると答えた人の3倍に上った。
株式市場は好調だが、景気後退期に社会に出たこの世代がリスク回避する傾向は変わらないようだ。1980年代から2000年代に生まれた「ミレニアル世代」のうち約39%は、10年以上使わないお金の「投資先」として、現金を選んだ。
現金を選んだ人の割合は、すべての年齢層を通じてミレニアル世代が最高となっている。これに続いて、約24%は投資先として不動産を選び、株式市場に投資すると答えた若者は13%にとどまった。
ミレニアル世代に限らず、全年齢層を通じてみた場合、長期資金の投資先として現金を選んだ人は25%、不動産は23%、株式市場は19%となっている。
この結果について、バンクレート・ドット・コムの金融アナリストであるマクブライド氏は「若者の間で現金への志向が強まり、株式市場を敬遠する動きが広まっているのには、本当に困惑している。この年齢層は本来、退職後に備えて一番貯蓄を作らねばならないはずだからだ」と指摘。
「長期資金であっても多少は短期的な価格変動リスクを取りにいかないと、退職後の備えはおぼつかない」と話し、株式市場離れがミレニアル世代の将来におよぼす影響に対して懸念を示した。