100ドル札偽造、15年間で被害額79億円 米で一味摘発
ニューヨーク(CNNMoney) 米シークレットサービスは14日までに、過去15年にわたって100ドル(約1万200円)紙幣を精巧に偽造し、イスラエルから米国内に持ち込んでいたとみられる一味を摘発したと発表した。
被害総額は少なくとも7700万ドル相当。現在の為替相場では約79億円に達する。
偽札の大半はイスラエルで印刷されていたとみられるが、一味は米東部ニュージャージー州に新たな拠点を設け、製造を開始していたという。
これまで5州で家宅捜索を実施、イスラエル人4人、ニューヨーク州居住の7人とジョージア州出身の被告2人を逮捕した。
事件に関連の法廷文書によると、偽札にはすかし模様や線など偽造防止用の技術も多く取り込まれ、高性能のオフセット印刷機で刷られていた。偽札の引き取り手は、例えば1万ドル分を額面の約4割の価格などで受け取り、ドラッグストア、車の洗車施設やホームセンターなどで使っていた。偽札の大半は米東部の州間道95号線周辺で出回っていたという。
シークレットサービスは2012年春、偽札4枚がバージニア州ウッドブリッジの融資企業で発見されたことから捜査を開始。今年1月、ニュージャージー州チェリーヒルにある倉庫が印刷工場として使われていることを突き止めていた。高性能のオフセット印刷機、小型の印刷機4台にコンピューターなどを押収した。
シークレットサービスは米大統領や政府高官の警護で有名だが、1865年の組織創設時は通貨偽造の捜査が主要任務だった。