ガザ復興、最大で6千億円余必要か 過去20年で最悪の被害
ニューヨーク(CNNMoney) パレスチナ自治区ガザで約7週間にわたったイスラエル軍とイスラム組織ハマスらとの交戦で、国連などは31日までに、空爆などで甚大な被害を受けた同地区の復興には40億~60億ドル(約4160億~6240億円)の資金が必要との見方を示した。
長期停戦は8月26日に成立し、援助団体関係者らがガザで物的被害の詳細を調べている。
この中で国連は人道救援事業の追加資金として3億6700万ドルを国際社会に要請。少なくとも半額はガザ住民約50万人に対する食糧確保に充てるとしている。この他、住宅整備資金が1億2800万ドル、水道と衛生関連事業に3100万ドル、交戦で臨時避難施設となった学校への教育支援に1100万ドルなどとなっている。
国際援助組織オックスファムは、今回の戦闘がガザの民生用のインフラ基盤にもたらした被害規模は過去約20年で最悪と説明。少なくとも15カ所の病院と同自治区の唯一の発電施設が全壊した。
国連開発計画(UNDP)によると、戦闘で破壊された民家は8月3日時点での調査で1万600棟以上。再建には長くて4年要するとの見方もある。
一方、ハマスによる多数のロケット弾攻撃を受けたイスラエルでは都市に大きな被害は出ていない。損傷など受けた民家の数は不明だが、イスラエル当局はインフラ施設の復旧には約1100万ドルが必要とみている。