日本が世界に誇るウイスキー 蒸留所を訪ねて
(CNN) ジャパニーズウイスキー誕生の地であるサントリーの山崎蒸留所で最初に出されたのは1杯の水だった。
私はそのあまりのおいしさに衝撃を受けた。そのおいしさの理由の説明を受ける前に、なぜこの水の味はこんなに切れがあり、他の水と全く違うのかと私の方から尋ねていた。
山崎蒸留所は、山の竹林に囲まれており、その竹林の美しさに感動した。そして、日本で最初のウイスキーがこの場所で造られた理由が、この地域の水であることが分かった。
「この蒸留所が約100年前にこの場所に建てられたのは、この伝説的な水があったからだ」と語るのは、サントリーに20年間勤務する角田誠氏だ。
山崎の名水は、深い山奥の泉から引いており、日本の環境省から日本で最も優れたミネラルウォーターの1つに指定されている。また昔、茶聖・千利休がこの地の名水を使って、侘び茶の世界を大成させたとも言われている。
そして今日、世界で最も優れたウイスキーのいくつかは、この名水を使って造られている。
中には、夕食後の1杯はスコッチより日本のウイスキーの方がいいという人もいる。
人気の秘密
熱心なウイスキー愛飲家は、いつ、どこで日本のウイスキーを最初に味わったかを明確に覚えているものだ。
私が初めて口にした日本のウイスキーは、2年前、香港滞在の初日に飲んだ「響17年」だった。(私の日本のウイスキーとの出会いは遅かった)
一口飲むと、口の中で果物のような甘さとオーク材の香りが混ざり、その口当たりの良さに感動した。
大半のウイスキー愛飲家にとって、日本のウイスキーには、長い熟成期間の割に滑らかで複雑な味わいに加え、希少で洗練された品を手にするという魅力もある。
「新しい味を求めているウイスキー愛飲家たちは、新たな飲酒体験を求めて日本に注目し始めている」と語るのは、ウイスキー専門誌「ウイスキーマガジン」の編集長ロブ・アランソン氏だ。
「中には『軽井沢』のように、通好みのウイスキーもある。軽井沢は入手が難しく、ウイスキーの愛飲家や収集家にとってあこがれの品だ」(アランソン氏)