ロシア宇宙庁の予算、35%削減へ 経済不振受け
ロンドン(CNNMoney) ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は3日までに、同庁の予算が今後10年の間、35%削減されると発表した。コマロフ長官がモスクワでの記者会見で明らかにしたもので、国内経済の不振、為替の変動率や高率のインフレなどを理由にした。
ロシアの財政は、外貨獲得源である原油の価格下落やウクライナ危機に伴う欧米諸国による経済制裁の打撃などで悪化。各省庁も歳出切り詰めを強いられている。
国営ロシア通信によると、ロスコスモスの予算削減に伴い複数の目玉プロジェクトの開発放棄を強いられ、この中には地球の軌道以遠に到達可能な超重量ロケットも含まれる。
ロシアのプーチン大統領は最近、宇宙開発計画は同国の優先的な政策の1つと強調したばかりだった。2023年までに自前の宇宙ステーションを地球の軌道上に誕生させる計画にも触れていた。
ただ、25年までの実現を目指す月周囲への有人飛行や29年までの月面着陸の計画に変更はないとしている。
一方、ロシア東部のボストチヌイで進む新たな宇宙基地建設計画も財源不足や汚職疑惑で足踏みを続けている。この基地はロシアの主要な宇宙ロケット発射場となる予定。しかし、工事は遅れ、地元メディアによると給料支払いも滞り数十人規模の作業員がハンガーストライキに訴える混乱も起きている。