食肉の抗生剤使用、飲食大手が軒並み「不合格」 米調査
フレンズ・オブ・ジ・アースなどの報告書では「家畜生産者が定期的に家畜に抗生剤を投与すると、耐性を持つようになった細菌が繁殖して我々の社会にまで拡散し、さらに大きな耐性菌の問題を引き起こす」と指摘。今回の調査結果について、「米国の大手飲食チェーンのほとんどは、食肉への抗生剤使用に対する不安の高まりに実質的に対応できていない」と批判した。
耐性菌の危険性については米疾病対策センター(CDC)や世界保健機関(WHO)が何度も警鐘を鳴らしてきた。CDCによれば、米国では年間少なくとも200万人が耐性菌に感染し、2万3000人が死亡している。
これに対して全米レストラン協会などが加盟する食品業界団体の代表は、抗生剤は責任を持って使用すれば食品の安全性を高め、価格を抑えることができると強調。「生産者が獣医師と連携して責任ある抗生剤の投与を行えば、食品の安全性が高まり、価格も抑えられるという点でメリットがある」と話している。
今回の調査では、抗生剤を段階的に減らす代わりに成長促進ホルモン剤の使用が増える可能性もあるとの懸念から、そうしたホルモン剤の使用についても各社に尋ねた。評価には反映されていないものの、ホルモン剤の使用は動物保護上の懸念や、人間の健康リスクへの懸念を生じさせる恐れもあると指摘している。