スペースX、衛星打ち上げで米軍と初の契約へ
ニューヨーク(CNNMoney) 米民間宇宙開発企業スペースXが、米空軍から人工衛星打ち上げを受注する運びとなった。同社が米軍と打ち上げ契約を結ぶのはこれが初めてだ。
2018年に予定されている米空軍の次世代GPS衛星打ち上げの入札は、6週間前に始まった。
当初は、スペースXのほかにユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)が入札予定だった。ULAは米航空宇宙大手ボーイングとロッキードの合弁会社で、これまで米軍の人工衛星打ち上げを独占してきた。
ところが今週に入り、ULAは入札を辞退。理由の一つは打ち上げロケットにロシア製のエンジンを採用していたことだった。対ロシア関係の悪化を受け、米議会は軍の衛星打ち上げにおけるロシア製エンジンの使用を制限している。
スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はこれまで、入札の権利を手にするためがむしゃらに戦ってきた。規制により同社の過去の入札への参加が妨げられてきたとして訴訟も起こしている。この訴訟は和解に持ち込まれ、スペースXは将来の打ち上げについて入札に参加できることとなった。
スペースXの広報担当者は、空軍との契約については正式決定までコメントできないと述べた。
スペースXは6月に国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人補給船が爆発事故を起こして以来、打ち上げを行っていないが、年内に商用目的の打ち上げ再開を予定している。