ロシア通貨ルーブル、史上最安値を更新
スイス・ダボス(CNNMoney) ロシアの通貨ルーブルが20日、1ドル=82ルーブルへと4%下落し、2014年末につけた最安値を更新した。
原油価格が1バレル当たり27ドルを切り、2003年9月以来の水準に落ち込んだことを受けてルーブルが急落した。ロシア経済はエネルギーへの依存度が極端に高いため、ルーブルは原油の値動きに連動しやすい傾向がある。
石油とガスの輸出による利益はロシア政府の歳入のほぼ半分を占め、予算の均衡を保つためには1バレル82ドルで売る必要がある。
それでもルーブル安にはメリットもあるとみる関係者もいる。ロシアの鉱山会社セベルスタリのアレクセイ・モルダショフ最高経営責任者(CEO)は、スイス・ダボスで開かれている世界経済フォーラムでCNNの取材に応じ、「現状は困難だが、ルーブルの大幅な下落で我が国の製品の競争力は高まる」と強調した。
ルーブル安は国民の生活を圧迫している。2015年のインフレ率は12.5%に達する一方、実質賃金は減り続けている。公式統計によると、ロシアの貧困層は国民の約14%に当たる2000万人を超えた。2014年の時点では1600万人にとどまっていた。