インド・タタの新車「ジカ」、名称変更へ ウイルス連想で困惑
ニューデリー(CNNMoney) インドの自動車大手タタ・モーターズは4日までに、発表間近だったハッチバック車「ジカ(Zica)」の車名を変更すると発表した。感染症「ジカ(Zika)熱」への国際的な不安が高まっていることを受けた措置。
タタ車のジカは「ジッピー・カー」を縮めた名称だったが、世界保健機関(WHO)が公衆衛生上の緊急事態を宣言したジカ熱の流行とタイミングが重なった。
同車はニューデリーで今週開かれる自動車展示会で披露される。この間はジカの車名で展示を行い、後日新しい車名を発表する。
ジカ熱は蚊が媒介するウイルス性の感染症。これまでに少なくとも24カ国に広まり、世界保健機関(WHO)によると今後1年間のうちに米大陸で300万~400万人の発症が予想される。胎児の小頭症との関連が指摘され、WHOが緊急事態を宣言した。
インドでは、蚊の媒介によるデング熱などの患者が多数報告されている。
タタ・モーターズは数週間前からジカ熱の動向を見守ってきたという。同責任者は「車の名前を決めるには市場調査から商標権の確認まで、長い時間がかかる」と説明。すでにジカという名前での宣伝も始まっていたが、最終的に変更を決めた。
名称をめぐる問題では、米カリフォルニア州のバイオ企業「アイシス(Isis)・ファーマシューティカルズ」が昨年12月、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の台頭を受け社名を「アイオニス」に変更した事例もある。