シャープ、鴻海提示の買収案を受け入れ
香港(CNNMoney) 経営再建中のシャープは25日、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業による買収案を受け入れることを決めた。
鴻海はアップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の生産を請け負う主要な委託製造業者の一つ。またシャープが持つ液晶画面の技術は、一部のアップル製品に採用されている。
鴻海がシャープの液晶事業を傘下に収めれば、アップルに対する影響力の拡大につながる可能性がある。さらに消費者市場へ直接アクセスする上でも、シャープの知名度の高さは鴻海にとって強みになるとアナリストらはみている。
とはいえシャープの業績を改善させるのは容易ではない。20世紀初めに創業したシャープは近年、大型テレビや液晶ディスプレー(LCD)事業の相次ぐ不振に見舞われた。2015年4~12月の間に計上した最終赤字は1080億円に上った。
同社の再建をめぐっては、鴻海案に対抗して、政府系ファンドの産業革新機構も支援策を提示していた。