ムーディーズ、中国の格付け見通し「ネガティブ」に
香港(CNNMoney) 米格付け会社ムーディーズは2日、中国の信用格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。
中期的な見通しとして、中国の格下げに踏み切る可能性があることを意味する。
政府債務の増加にともなう負担や資本の大量流出、経済改革に向けた当局の実行力不足を懸念材料に挙げている。
ただし、当局が課題に取り組む時間はまだあるとの理由から、格付け自体は最高から数えて4段階目の「Aa3」に据え置いた。
ムーディーズは、中国政府が地方政府や大手金融機関、国営企業の債務の肩代わりまで強いられる可能性を指摘。外貨準備高は依然として「十分」とされるものの、人民元への圧力や政府の信頼低下によって資金流出に拍車がかかる恐れもあるとした。
中国政府が今後、人民元の大幅な切り下げに踏み切った場合、世界経済への深刻な影響が懸念されるが、政府はその可能性を否定している。
政府は経済の減速を受けて、輸出や投資に対する依存からの脱却や為替の自由化、金融規制緩和を表明してきたが、昨年夏の株価急落に代表される不安定な市場に足を取られているのが現状だ。
アナリストらは、中国当局が目標成長率の達成より改革の断行を優先することができるかどうかに注目している。ムーディーズは「改革の流れが中途半端になったり逆行したりすれば、政策決定者の信頼性が低下することになる」と警告している。