19世紀の英画家ターナー、20ポンド札の新たな顔に
ロンドン(CNNMoney) 英国の中央銀行であるイングランド銀行は25日までに、新たな20ポンド紙幣の肖像画に、同国を代表する画家で19世紀前半に活躍したジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーを起用すると発表した。これまでの20ポンド紙幣には18世紀の哲学者、アダム・スミスが描かれていた。
起用を決定したイングランド銀行のカーニー総裁は「ターナーこそは、おそらく英国の芸術家として史上最も影響力の大きい人物と言ってよいだろう」との見解を示した。
1851年に死去したターナーは、風景画や海洋画で多くの名作を残した。世界的な巨匠の一人に数えられ、色彩の明暗を使い分けることでその場面の雰囲気を表現する技術に秀でていた。
昨年、新紙幣の顔として視覚芸術家という条件で一般から候補を募集したところ、ターナーを含む590人の名前が寄せられた。最終選考にはターナー、俳優のチャールズ・チャップリン、彫刻家のバーバラ・ヘップワース、陶芸家のジョサイア・ウェッジウッド、17世紀の風刺画家、ウィリアム・ホガースの5人が名を連ねた。
2020年までに発行予定の新紙幣は、1799年ごろ描かれたターナーの自画像のバックに代表作である「戦艦テメレール号」を配したデザイン。このほか画家本人の署名と、光と色彩について語った言葉も印刷される予定だ。