世界の酒類消費量、過去20年で初の減少 背景に景気悪化
ロンドン(CNNMoney) 市場調査企業「ユーロモニター・インターナショナル」は13日までに、アルコール類の世界規模での販売数量が昨年、この種の統計とりまとめが2001年に開始された後、初めて減少したと報告した。
これによると、米ドル換算の販売額は昨年約2%の上昇を記録したものの、世界規模での摂取量については0.7%落ち込んだという。中国やブラジルなど新興市場諸国での経済減速がこれら減少の一因とみられる。
世界全体でアルコール飲料の消費量が落ちたのは1990年代にアジアを襲った金融危機が最後とみられるという。
同社によると、世界最大のアルコール類消費国である中国では昨年、3.5%下落。この減少分は、ポルトガルとチリの両国国民が全面的に禁酒した場合の総量に相当するという。
ブラジルと東欧諸国ではそれぞれ2.5%、4.9%減少した。ブラジルは深刻な景気不振や汚職容疑絡みの政治危機に直面。東欧諸国では、ウクライナとロシアの対立が原因でアルコール製造業界が打撃を受けている。