中国「独身の日」商戦、残ったのはごみの山 環境団体が警鐘
香港(CNNMoney) 中国で11月11日の「独身の日」に行われた大規模オンラインセールをめぐり、ごみ箱行きとなった大量の包装類による環境への長期的な影響を懸念する声が上がっている。環境保護団体グリーンピースは独身の日について、「地球にとって破滅的な日」だとして警鐘を鳴らしている。
中国の国営新華社通信によると、宅配業者や運送会社が今年の独身の日に扱う荷物の数は、国家郵政局の推計で10億点以上に及ぶ。こうした注文品を運送するためには、箱や包装テープ、発泡ビニールなどのプラスチック包装が必要だ。中国のオンラインショッピングブームが環境に与える影響を調べた研究によると、10億個の段ボール箱を製造するには200万本ほどの樹木が必要になる。
中国ではこうした包装類の大半がごみ箱行きとなる。グリーンピースの推定によれば、リサイクルや再利用される包装類はわずか20%。包装テープは微生物が分解できないプラスチックを含んでおり、分解されるまで約100年を要する。また、テープが付着した段ボール箱はリサイクルできない。
グリーンピース北京支部の広報担当者は、「(独身の日は)見境なく買い物をするよう人々に促しており、こうした見境のない消費により環境が犠牲になっている」と指摘。ネット通販最大手のアリババに対し、ゴミを減らすための取り組みを強化するよう求めた。
アリババの広報担当者によれば、箱を再利用したり、微生物が分解できる詰め物や再生紙で包装を行ったりする試験的なプログラムを同社の物流部門である菜鳥(ツァイニャオ)がすでに立ち上げているという。