免許返納で葬儀代値引き、高齢ドライバーの事故防止へ 愛知
東京(CNN) 愛知県一宮市の冠婚葬祭業者がこのほど、免許証を自主返納した高齢者に対し葬儀費用の割引を提供するサービスを始めた。運転に不安を覚える高齢ドライバーの減少につなげる狙いがある。
愛知県警が公表した統計によると、昨年県内で発生した交通死亡事故のうち、75歳以上のドライバーが起こしたものは全体の13%を超えた。こうした中、同県一宮市の冠婚葬祭業「平安閣」は、警察署へ免許証を返納した高齢者の葬儀代を15%割り引くサービスを開始。県内89カ所の葬儀場で実施している。
一宮警察署と連携した取り組みで、高齢者とその家族に対し交通安全への意識を高めてもらうことが目的。警察が発行する自主返納の証明書を提示することで、葬儀代の割引を受けられる仕組みだ。
平安閣の担当者によれば葬儀に必要な費用は平均150万円ほどで、そのうち120万円は葬儀壇にかかるという。
国内の高齢化が急速に進む中、物やサービスを割引価格で提供することで免許証の自主返納を促す動きは他の地域でも行われており、大きな成果を上げている。行政側も免許更新時に認知機能検査を実施するなど、高齢ドライバーによる事故の防止に取り組んでいる。