中国の「白紙デモ」、大手文具会社の頭痛の種に

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ゼロコロナ政策への抗議デモ参加者は検閲に抗議して白紙を掲げる=27日、北京/Kevin Frayer/Getty Images

ゼロコロナ政策への抗議デモ参加者は検閲に抗議して白紙を掲げる=27日、北京/Kevin Frayer/Getty Images

香港(CNN Business) 先週末に中国各地で起きた異例のデモでは、白紙を掲げるデモ参加者の姿が目立った。この現象に頭を悩ませているのが、中国の大手文房具チェーンだ。

デモに参加した若者は、検閲に対する象徴的な抗議として白い紙を掲げた。インターネット上から削除された批判的なSNSの投稿やニュース記事、歯に衣(きぬ)着せぬオンラインアカウントを比喩的に示したものだ。

異例の抗議行動では、デモ参加者が新型コロナウイルス対策の厳格なロックダウン(都市封鎖)措置の廃止や政治的自由を要求。中国国営メディアではこのデモはほぼ無視されている。

28日には、中国各地に小売店8万店あまりを出店する上海晨光文具の株価が3.1%下落した。きっかけは同社が中国全土で29日からA4用紙の販売を禁止するとの文書がSNS上で出回ったことだ。

3.1%の下げ幅は28日の中国市場が記録した0.7%安を大きく上回った。公式ウェブサイトによると、上海晨光文具は上海を拠点に世界50超の国や地域で製品を販売する。上海証券取引所に上場しており、時価総額は60億ドル(約8300億円)に上る。

SNSで共有された文書では販売禁止措置について、「社会の安全と安定を維持」し、「不法分子が大量のA4白紙を買いだめして違法な転覆活動に利用するのを防ぐ」ためだと指摘した。中国各地の都市で起きた「最近の『白紙運動』を強く非難する」とも書かれている。

上海証券取引所のウェブサイトによると、上海晨光文具は株価下落の直後、ネットで出回っている文書は偽造であり、警察に通報したと発表。「当社の現在の生産と経営は通常通りだ」としている。

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