ESG投資、昨年の混乱の市場乗り切る 新たな資金も流入

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「ESG投資」は変動の激しかった2022年を乗り切ったようだ/Angela Weiss/AFP/Getty Images

「ESG投資」は変動の激しかった2022年を乗り切ったようだ/Angela Weiss/AFP/Getty Images

ニューヨーク(CNN) 企業評価に当たって環境、社会、ガバナンスの要因を重視する「ESG投資」を行うファンドは変動の激しかった2022年を乗り切った。市場全体と同様のパフォーマンスを見せたほか、新たな資金も呼び込み、責任ある投資の明るい将来の兆しを示した。

投資家はロシアによるウクライナ侵攻を受け、一部のエネルギーや武器関連株への投資の再考を迫られる状況にあった。そうした中でESG投資を巡る政治的な違いが表面化し、批判の声が上がる場面もみられた。

ESGファンドは経済の厳しい逆風にも直面した。こうしたファンドはIT企業への投資規模が大きい一方、エネルギー株への投資は少ない状況で、全体として昨年は損失が目立った。昨年最も高いパフォーマンスを示したのがエネルギー株で、IT株は不調だった。

それでもESG投資はマーケット全体と同様のリターンを確保した。モーニングスター・US・サステナビリティー・インデックスは昨年18.9%下落したが、S&P500も19.4%下落した。

世界に目を移せば、ファンド全体から資金が引き上げられる中、ESGファンドは新たな投資を呼び込んだ。CNNに提供されたリフィニティブ・リッパーのデータからはそうした姿が明らかになっている。

ヘッジファンドや他の機関投資家は株式を売って、現金を保有する動きを見せた。米金融大手ゴールドマン・サックスは昨年秋、現金の比率をポートフォリオ全体の約2.5%にまで引き上げた。

それでもESGへの資金流入は強く、特に米国以外でその動きが際立った。モーニングスターのデータによれば、欧州ETF(上場投資信託)への資金流入のうち65%はESG投資関連だった。

リッパーのグローバル・リサーチ部門トップは「22年の全体的なポイントは、ESG商品がより一貫した流入を引きつけ、流入がある状況で年を終えたことだ。より広いファンドのマーケットでは、22年は全体的に資金が流出する状況だった。ESGを巡る疑問や議論がいくつか出たものの、世代で最も厳しい投資市場の一つと言える状況の中、その基調は無傷だったことは良い兆候だ」と指摘した。

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