人間と機械――繁栄の鍵は「協力」にあり
(CNN) 近い将来、コンピューターによって職が奪われるのではないかとの不安が広がっている。自分は安泰だろうという人には「ワトソン」の例を想起してほしい。米クイズ番組「ジョパディ!」で人間のチャンピオンに勝利した米IBM社のコンピューターだ。
クイズ番組で解答するのは複雑な仕事で、コンピューターは今や、人間の専売特許とされていた精妙な判断力も手にしたことになる。
折しも、マサチューセッツ工科大学(MIT)のエリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィーの両氏は、時々刻々と進化するコンピューターとその影響について考察した「The Second Machine Age(原題)」を刊行した。
両氏がまず指摘するのは、近年のコンピューターのめざましい進歩だ。自動運転が可能になり、人間に話しかけることもできるようになった。ムーアの法則にもあるように、コンピューターの処理能力は約2年で倍増する。その進歩の速度は「指数関数的」だ。
指数関数的という表現をわかりやすく説明するには、チェスの発明にまつわる神話が面白い。
言い伝えによると、あるインド人がチェスを発明して献上したところ、王様はすっかり感心し、望む物を何でも褒美に取らせることにしたという。発明者の望みは一見、ごく控えめなものだった。