「韓国語を話す」ゾウに注目集まる 韓国
ソウル(CNN) 韓国ソウル近郊の動物園にいるゾウが、人間の言葉に似た音を発するとして話題を呼んでいる。
ソウル近郊にあるエバーランド動物園で飼育されているのは、22歳のアジアゾウ「コシック」。飼育員は2006年、コシックが飼育員の言葉をまねした音を出していることに気付いた。コシックは「こんにちは」「お座り」「いいえ」「横になれ」「良い」といった韓国語の言葉を話すという。飼育員は「信じられない」と驚きを隠さない。
コシックに寄せられる興味は国境を越え、2010年にはオーストリアのウィーン大学から専門家が調査のために来訪。専門家は「(動画投稿サイトの)ユーチューブ上にコシックが話す動画があったが、それが偽物か本物か、判別がつかなかった」と語り、コシックが飼育員の言葉を復唱する様子を録音、韓国語を母語とする人に判別可能か調査を行った。
ドイツのイェーナ大学の研究者は、「コシックが発音するいくつかの音は、(人の言葉に)びっくりするほど似ている。特に『良い』という言葉は、飼育員の発音とそっくりだ」と語った。
コシックは、自分の鼻を口に入れて、人間の声のような音を生み出す。この様子は、今週、科学誌「カレントバイオロジー」に発表された。
コシックは1990年生まれで、生後数年でエバーランド動物園に移送された。5~12歳の間は他に仲間のゾウがおらず、接触する相手は人間だけだった。研究者らは、コシックが社会的な絆を持つために、人間の言葉を覚えた可能性があると考えている。
来春には動物園の改修工事が終わり、コシックは大きな人気を集めそうだ。