伝書鳩の死骸から第2次大戦時の暗号文発見か 英国
(CNN) 英国サリー州の民家の煙突の中にあった伝書鳩の死骸から、第2次世界大戦当時に書かれたと見られる暗号文がこのほど発見された。
この暗号文は、伝書鳩の脚の骨に付けられた小さな赤い容器の中から見つかり、驚くほど完全な状態で保存されていたという。
英国の諜報機関、政府通信本部(GCHQ)によると、現在、鳩博物館の職員が、暗号文の中にも書かれている、この伝書鳩の英数字識別子の起源をたどっているという。
GCHQは「仮にその識別子が示す人物が特定され、その人物の当時の任務が明らかになれば暗号文の解読に役立つだろう」としている。
この暗号文は普通の解読機では解読できない。解読には暗号帳か、場合によっては「ワンタイム・パッド」の暗号システムが必要になる。ワンタイム・パッドを使った暗号化は暗号文の安全性を高めるためのもので、1つのランダムキーは1つのメッセージにしか使用されない。GCHQによると、暗号帳やワンタイム・パッドは不要になったら廃棄されるのが一般的で、残存している可能性は極めて低いという。
また他にも、この暗号文に日付がないこと、暗号文の宛先の「X02」の意味が不明なこと、送り主の署名や所属していた部隊が特定できないことなど、解明すべき疑問点がある。
GCHQによると、第2次世界大戦中、英国軍や当時、英国の破壊工作組織だった特殊作戦局(SOE)のすべての部署で約25万羽の伝書鳩を使用していたという。