ロシア隕石の音、地球全体に響いた 核実験監視機関が観測
(CNN) ロシア南西部に15日に落下した隕石が、超低周波の音を地球全体に鳴り響かせていたことが分かった。核実験を監視する包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)が28日までに明らかにした。
CTBTOによると、隕石の落下によって、人間の耳に聞こえる音よりもはるかに低い超低周波の音波が発生。北極に近いグリーンランドから南極に至る各地で、CTBTOのセンサーがこの音波をとらえた。その規模は同機関の観測史上、最大だったという。
研究者らは音波が約32秒間続いたことから推計して、爆発のエネルギーは450~500キロトンだったと試算している。これは核爆弾30発に匹敵する規模。
さらにこの数字と、隕石をとらえた映像から計算すると、隕石は直径約17メートル、重さは70万トン以上あり、爆発した時の速度はおよそ秒速18キロだったと推定される。
これは、1908年に隕石の落下とみられる現象でシベリアの森林がなぎ倒された「ツングースカ大爆発」以来の規模だという。
核実験の監視機関は年間20個ほどの隕石から超低周波の音波を観測しており、条件が整えば、豆粒ほどの大きさの隕石の音をとらえることもあるという。