火星往復で浴びる放射線、許容限度超える恐れも NASA

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253日かけて火星に着いた「キュリオシティ」は地質調査などを実施=NASA/JPL-CALTECH提供

253日かけて火星に着いた「キュリオシティ」は地質調査などを実施=NASA/JPL-CALTECH提供

(CNN) 地球から火星まで往復した宇宙飛行士は、即座に引退しなければならなくなるほど大量の放射線を浴びることになる――。米航空宇宙局(NASA)がそんな研究結果を30日の米科学誌サイエンスに発表した。

研究チームは、放射線評価検出器と呼ばれる装置で測定したデータを使い、火星探査機「キュリオシティ」が浴びた宇宙放射線量を調べた。

その結果、火星までの往復で浴びる宇宙放射線量は554~770ミリシーベルトと推計。これは5日ごとにCTスキャン検査を受けるのに等しく、NASAの宇宙飛行士がキャリアを通じて認められている許容限度ギリギリか、場合によっては超えてしまうこともあるという。

平均的な米国人が自然界などで浴びる放射線量は年間6.2ミリシーベルト。「宇宙の放射線環境は地球の数百倍に上り、シールドで閉ざされた宇宙船の中にも届く」と研究チームを率いるケーリー・ザイトリン氏は解説する。

NASAの基準では、宇宙飛行士などが放射線を浴びた結果、がんにかかるリスクが3%以上増えることがあってはならないと定めている。平均的な米国人の場合、35歳男性で140~186日間、女性の場合は88~120日の宇宙滞在であれば、このリスク上昇率を3%未満に抑えることができるとされる。

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