ベネズエラ議会が「哺乳瓶禁止」を審議 反発の声も
(CNN) 南米ベネズエラの議会で、母乳育児推進策の一環として哺乳瓶の使用を禁止する法案が審議されている。粉ミルクの宣伝も処罰の対象とする厳しい内容で、野党からは反発の声が上がっている。
提案されているのは、2007年に導入された母乳推進法の改正案。与党・統一社会党のモンソン議員は国営VTVテレビとのインタビューで、「すべての乳児には母乳で育てられる権利がある」と説明。粉ミルクを売り込む多国籍企業は母子間のきずなの形成を妨害しているとも主張した。ただし、施行の具体的な手段や詳細な罰則には言及しなかった。
同議員によれば、母親が病気で母乳を与えられないケースは例外とされる。法案にはこのほか、母乳バンクを増設し、企業に授乳スペースの設置を義務付けることなども盛り込まれた。
これに対して野党議員らは、「07年の推進法には、母乳育児以外の道を選んだ母親を責めたり罰したりする規定はなかった。改正案は受け入れられない」と強く反発している。
同国保健省が今月発表した調査結果によると、母乳育児が可能な母親のうち、実際に子どもを母乳で育てるケースは27.1%にとどまっている。VTVによれば、当局は19年までにこの割合を70%まで引き上げることを目指している。