全長17メートルの恐竜化石が競売に 英
(CNN) 1億5000万年前に生息していた恐竜「ディプロドクス」の化石が近く、英国のオークションに出品される。全長17メートルの「大物」だ。
大型恐竜の完全な化石がオークションにかけられるのは欧州で初めてとされる。イングランド南部ビリングスハーストで来月27日に開催されるこのオークションは、「進化」がテーマ。英ジュラシック海岸で発掘されたイクチオサウルスの化石や、自然史関連の芸術作品も出品される。
キュレーターを務めるのは文筆家で画家のエロル・フラー氏だ。同氏によると、ディプロドクスの化石は2009年に米ワイオミング州で発掘され、「ミスティー」と名付けられた。同州の発掘現場へ14歳と11歳の息子を連れて行った古生物学者が、2人に近くの地面を掘らせたところ、巨大な骨を見つけてきた。すぐにチームをそちらに移し、9週間かけて全体を発掘した。米国の国有地で発掘された化石は国外への持ち出しが制限されるが、ミスティーが見つかったのは私有地だったため、世界中どこへでも合法的に運ぶことができるという。
フラー氏によると、世界では6カ所ほどの博物館がディプロドクスの化石を所蔵し、ロンドン自然史博物館など博物館数カ所に石こう模型が展示されている。
ミスティーは金属製の枠で支えられ、この枠は組み立て式になっている。いったん解体して再び組み立てる作業には、2~3人がかりで約1日かかるという。
予想落札価格は40万~60万ポンド(約6300万~9500万円)。フラー氏は、8月にオークションにかけられた高級車フェラーリの落札価格が1800万ポンド(約28億円)に上ったことを例に挙げ、「仮に私が金持ちだとして、友人に自慢する時のインパクトを考えれば、ミスティーは信じられないほど安い」と強調した。