NASAの会議、中国人締め出しを撤回か 新華社報道
香港(CNN) 米航空宇宙局(NASA)が惑星探査に関する会議に中国人研究者の参加を認めない方針を発表して批判を浴びた問題で、中国国営新華社通信は20日、NASA側がこの方針を撤回したと伝えた。
新華社は、NASA上層部が法律の解釈を誤ったようだと指摘。NASAが中国人研究者を改めて招待したとされる書簡の抜粋を公開した。NASAは同日朝の時点で、コメントを求める取材に応じていない。
混乱の原因は、米国で2011年に可決された安全保障関連の法律とされる。同法はNASAに対し、中国との共同プロジェクトや中国からのNASA施設訪問の受け入れに予算を使うことを禁止している。
問題の会議は、太陽系外の惑星探査を目的にNASAが打ち上げたケプラー宇宙望遠鏡の成果をテーマに、米カリフォルニア州にあるNASAのエイムズ研究所で来月開催される。
中国人研究者の参加規制については英紙ガーディアンが最初に報じ、中国側は「差別だ」と強く反発。米国内の一部の科学者からもボイコットを呼び掛ける声が上がった。
法律の制定にかかわったフランク・ウルフ下院議員も、「規制の対象は中国政府や中国企業との二国間会合や活動であり、中国人個人の活動は政府代表者でない限り妨げられない」との見方を示していた。