損傷した脊髄に電気刺激、まひした機能が一部回復 米研究
(CNN) 脊髄(せきずい)損傷で身体機能がまひした患者の脊髄に電気的な刺激を与えたところ、一部の機能が回復したとして、米ルイズビル大学などの研究チームがこのほど神経学会誌「ブレーン」に研究結果を発表した。
同大学の研究者スーザン・ハーケマ氏は、男性患者の損傷した脊髄に電気的な刺激を与える実験をしていた。実験の目的は神経の経路を調べることにあり、身体機能の回復は目的としていなかった。
ところがモニター画面を見ていたハーケマ氏は、「見て。つま先が動かせるよ」という患者の言葉に驚いて振り返った。
最初は、けいれんの反応と考えたが、患者はハーケマ氏の指示に従って、両足のつま先を動かして見せた。
その後の5年間で同氏のチームは、身体機能がまひした男性患者3人に電気刺激を与える実験を実施。最初の1人を含めた4人全員が、親指を動かしたり脚を持ち上げたり、助けを借りずに起き上がったりできるようになった。2人は腹筋運動までできた。