深海のオオグソクムシ、大量に網にかかる メキシコ湾
(CNN) 米南部のメキシコ湾で深海ザメをとらえた漁師の網に、深海にすむオオグソクムシの仲間とみられる甲殻類がまとめてかかっていたことが分かった。写真を見た海洋生物学者が明らかにした。
メキシコ湾でエビ漁をしていたカール・ムーアさんは4月19日、深海にすむミツクリザメを捕獲した。この海域でミツクリザメが捕獲されたのは2000年以来、わずか2匹目。サメはまだ生きていたため、写真を撮ってから海に放した。
この写真を見た海洋生物学者のアンドルー・テーラーさんは、サメと一緒に大量に網にかかっていた甲殻類に注目した。この生物は「イエネコほどの大きさがあるダンゴムシ」のような姿をしていて、体長は成体で20センチほど。深海には一般的に生息しているが、分散して生息しているため滅多に目撃されず、テーラーさんも「一度にこれほどたくさん集まっているのは見たことがない」という。
集団でいた理由は餌にあるとテーラーさんは推測する。太陽光が届かず植物もほとんど育たない深海では餌が少なく、例えばクジラのような大型生物が死ねば、死骸を食べるために大量の生物が集まってくる。
こうした生物は「死骸1つで何カ月も生き延びられる」「次はいつ餌にありつけるか分からないので、体内に餌をたくわえておける」といい、ムーアさんの網にミツクリザメなどの深海生物がまとめてかかったのは、餌に集まっていたためかもしれないとテーラーさんは話している。