アフリカ最後のシロクマ死ぬ、長年の「伴侶」のもとへ
(CNN) 南アフリカのヨハネスブルク動物園は、アフリカ大陸で最後のホッキョクグマだったオスの「ワン」の健康状態が悪化したため、13日に安楽死させたと発表した。28歳だった。慢性関節炎にかかり、肝不全に陥っていたという。
ワンは日本の動物園で生まれ、1986年にライオンとの交換プログラムでやって来て以来、同動物園の人気者だった。しかし今年1月、28年間連れ添ったメスの「ジービー」が死んだ後はずっと悲しそうな様子を見せ、元気をなくしていた。
ワンとジービーは生後半年の時から一緒に過ごし、孤独を好む傾向のあるホッキョクグマでは異例の仲の良さだった。
ジービーが死んだ後のワンは食欲も失い、ジービーがいたころのように水の中で泳ぐこともしなくなった。
動物園は好物をプレゼントするなどして何とかワンを元気付けようと試み、ファンからもたくさんの贈り物が届いた。造雪機 などもあった。ただ、温暖な気候の中で過ごしてきた高齢のワンにとって、突然の環境の変化は致命的になるかもしれないと動物園は予想していた。野生のホッキョクグマの場合、20歳を超すことはまれだという。
ヨハネスブルク動物園は、ワンに代わるホッキョクグマの導入は予定していない。