ツタンカーメンの生前の姿、明らかに 足に疾患か
(CNN) 古代エジプト王ツタンカーメンのミイラの「仮想検視」を行って生前の姿を初めて実物大で再現した画像が公開された。26日放送の英BBCのドキュメンタリー番組で紹介される。
ツタンカーメンは紀元前1333年~1323年の古代エジプト第18王朝の王で、死亡当時の推定年齢は19歳前後。2010年の米医学誌に発表された研究によれば、足の骨折で感染症にかかった後マラリアのため死亡したと推定される。
生前の姿を再現した画像はミイラのCTスキャンをもとに研究チームが作成した。左足の足首のあたりが変形しているのは、骨に異常が生じるケーラー病だった可能性があるという。
ツタンカーメン王の墓からは100本以上の杖も見つかっている。当初は権力の象徴とみられていたが、実は歩くために杖が必要だったという見方が有力になった。
死因を巡っては、チャリオットと呼ばれる馬車に乗っていて死亡したとする説もあった。しかしイタリアの専門家は、ツタンカーメンが馬車に乗ることは不可能だったと説明。「足がひどく変形していて、支えてもらわなければ立つことができなかった」と指摘している。
家族のミイラの遺伝子を解析した結果、両親はきょうだい同士だったことも分かった。このためツタンカーメンは遺伝性の疾患を抱えて健康状態が良くなかったと研究チームは推測している。