深海から数十トンの銀貨回収 第2次大戦の沈没船
(CNN) 第2次世界大戦中に大西洋で沈没した英国の客船から、数十トンあまりの銀貨が回収された。深海探査会社ディープ・オーシャン・サーチ(DOS)が発表した。
沈没した「シティ・オブ・カイロ号」は1942年、民間人296人を乗せて大西洋を航行中、ドイツの潜水艦「Uボート」に遭遇して撃沈された。同船はインドのルピー銀貨100トンあまりをイングランドに運ぶ途中だった。
乗客の多くは救命ボートで脱出したが、岸から遠く離れていたことから、漂流中に100人あまりが死亡した。
DOS社は英財務省と契約して深海捜索作業を行い、2011年に深さ5150メートルの海底で同船を発見。数十トンの銀貨を回収することに成功した。これほどの深さからの引き揚げは世界記録になると説明している。
BBCによると、引き揚げ作業は13年9月に完了したが、英政府の意向でこれまで伏せられていた。銀貨は溶かして販売され、DOSが売り上げの一部を受け取った。
現在のレートで銀100トンの相場は約5000万ドル(60億円)。