アカマンボウは「温血魚」 熱を保ったまま体内循環
(CNN) 世界各地の海に生息するアカマンボウは温かい心臓を持ち、血液の温度を保ったまま体内を循環させる仕組みを備えていることが分かったとして、米海洋大気局(NOAA)の研究チームが米科学誌サイエンスに論文を発表した。
血液の温度を保ち続けることができる魚が見つかったのは今回が初めてだという。
魚類はえらを使って酸素を水から直接体内に取り込んでいる。このために血液が冷やされ、体温を保つことはできないとこれまでは考えられてきた。
しかしNOAAの研究チームは、アカマンボウの場合、心臓とえらの間に特殊な血管の絶縁網があることを発見。心臓から送り出される温かい血液が、えらで酸素を取り込んだ血液を温め直して熱を保ったまま体内を循環させる仕組みになっていることが分かった。
このおかげでアカマンボウは周辺の海水よりも5度高い体温を保つことができ、500メートル潜っても体温が下がらないという。皮膚の脂肪が絶縁膜の役割を果たし、心臓や脳、臓器の温度が保たれていた。
アカマンボウは食用として市場や飲食店に広く流通している大型魚。円形の体に赤いヒレをもち、成体では体長2メートル、体重80キロにもなる。鳥が羽ばたくように胸ビレを絶えず動かし続けていて、この筋肉の動きで熱が生成される。