米NASA、ロシアとの契約更新 ISSへの乗員輸送で
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に輸送するため、ロシア宇宙庁との契約を更新した。NASAのボールデン長官が議員に当てた5日の書簡で明らかにした。
書簡の中でボールデン局長は、NASAの予算が減り続けていることを理由に、ロシアとの間で4億9000万ドル(約611億円)の契約を結ぶことになったと説明した。
NASAは限られた予算の中で、民間企業と組んで有人宇宙船の開発計画を進めている。しかし議会はこの5年間で、オバマ大統領が要求した同計画の予算のうち10億ドルあまりを削減。NASAによる打ち上げの予定は2017年にずれ込んだ。
「結果として、米国や提携国の乗員のISSへの輸送はロシアのソユーズ宇宙船のみに頼る状況が続いている」とボールデン長官は指摘する。
ソユーズへの乗船にかかるコストは1人あたり約7000万ドル(約87億円)。NASAは通常、年間6人を輸送してもらう契約を結んでいるという。
有人宇宙船の打ち上げは2年以内に開始できる見通しだとしながらも、そのためには予算の増額が必要だとボールデン長官は強調。「有人宇宙船を完成させて2017年にフロリダからの打ち上げを開始できるよう、過去の見解の相違を乗り越え、力を合わせて米国の産業を支えたい」と力を込めた。
さらに「地球上で最も偉大な国家が人類を宇宙に送り出す上で、他国に頼ってはならないという見解には全員が賛同してくれることを願う」と訴えている。