今年のエルニーニョ現象、史上最強の可能性
また東太平洋ではハリケーンが増え、西太平洋でも台風が数、勢力ともに増す。風速が毎秒67メートルを超えるスーパー台風は今年既に5個発生しており、例年のこの時点での平均1個を上回っている。一方、大西洋では上層の風量の増加がハリケーンの発達を抑えるためその発生数は減少する。
影響は天候にとどまらない。暖水が広がることで中南米諸国の漁業の柱である寒流魚の漁獲量の減少をもたらす結果にもなる。
気候変動がエルニーニョ現象に及ぼす影響については議論が続いている。国連は気候変動がエルニーニョ現象に影響を与える確率は低いとの見方を示しているが、研究者の中には、エルニーニョの発生数自体は変わらないものの、強いエルニーニョの数が2倍に増えると予測する者もいる。