海面上昇で米NASA発射場に浸水の懸念 移転必要か
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は5日までに、極地の氷融解などによる海面上昇で米沿岸部にあるNASAの複数のロケット発射場の存続が脅威を受けていると警告した。今後数年間内、ケネディ宇宙センターなどが改造もしくは内陸部への移転を強いられる可能性にも言及した。
同局の気象学者であるシンシア・ローゼンツバイグ氏がNASAの公式サイトで述べた。海面上昇の問題は海岸沿いにあるNASAの関連施設に非常に現実的な試練を与えていると強調した。
NASAによると、関連施設の半分以上は海抜約4.8メートル以内に建つ。フロリダ州やカリフォルニア州などには研究所、打ち上げ施設、飛行場、実験棟やデータセンターなどが位置し、約6万人が働く。これら施設などの価値は320億ドル(約3兆8000億円)ともされる。
大西洋に面し、ほぼ全ての有人宇宙飛行の発射場となったケネディ宇宙センターは海岸から数百フィート(1フィートは約30センチ)の位置にある。米バージニア州にあり、NASAの科学、探査計画の主要舞台となってきたワロップス飛行施設も同様の立地環境にある。
バージニア州ハンプトンのチェサピーク湾の入り口近くにあるラングレー研究センター、サンフランシスコ湾の南端に接するエイムズ研究センターやヒューストン郊外の入り江に位置するジョンソン宇宙センターなどは全て海抜約1.5~約12メートルとなっている。