ラブジョイ彗星、毎秒ワイン500本分のアルコールを放出
(CNN) 今年1月に太陽に接近した「ラブジョイ彗星(すいせい)」が、1秒間にワインボトル500本分ものアルコールを宇宙に放出していることが分かったとして、フランス・パリ天文台の研究チームが学会誌に観測結果を発表した。
アルコール飲料に含まれるエチルアルコールが彗星から発見されたのは初めて。
研究チームがこのほど発表した論文によると、ラブジョイ彗星はアルコールだけでなく糖類の一種も放出していることが判明した。同彗星に由来する有機分子は21種類見つかったという。
米航空宇宙局(NASA)はこの発見について、「彗星は(地球上の)生命の誕生に必要な複雑な有機分子の源だったという説を裏付けるもの」と解説する。
ラブジョイ彗星は今年1月30日、太陽に最接近して物質内の分子を放出。研究チームはスペインのシエラネバダ山脈にある直径30メートルの電波望遠鏡を使ってこれを観測し、同彗星の成分にアルコールや糖類が含まれていることを突き止めた。
ラブジョイ彗星はオーストラリアのアマチュア天文家、テリー・ラブジョイさんが2014年8月に発見した。ピーク時は1997年のヘールボップ彗星以来の明るさとなり、今年前半には夜空に姿を現したが、地球から遠ざかるにつれ見えなくなった。